曖昧

輝く瞳の中に隠れたBlue

종이 심장(Paper Heart)を考える〜Dimension-4の始まり〜

겉은 강한 척 해보지만
表では強いふりをしてみるけど
내 심장은 종이 같아 
私の心臓は紙みたい

네가 너무 좋아서
あなたがとても好きで
사실은 약간 겁이 나
本当は少し怖いの

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優しく、でもどこか力強い音色から始まるこの曲は、2014年に発売されたRed Lightの11番目に収録されている。とある「あなた」に恋をする女の子が、普段の強気な姿勢の裏に隠れたちょっぴり気の弱い、でも切実な思いを告白する。前作のPink Tapeに‘‘唯一無二の私のプライド’’が多く表現されている曲が多いとするなら、このPaper Heartはその答えでもあるだろう。思春期を終えた‘‘私’’は、初めて自分をさらけ出すことができない世界があると知った。勿論あなたの前でも今まで通りの強い私でありたいと思っているけれど、切ない、苦しいという感情の中で密かにこう叫びたくなる。「私の紙の心臓を見せてあげようか?」
未知の世界に好奇心旺盛でやけに自信家、恋に恋した思春期には別れを告げ、好きな人を思って真剣に悩んで痛みを知ったf(x)は大人になって次のステージへ進んでゆくのだ。

そんなPaper Heartという曲は、デビュー7年目にして初めてのコンサートという魔法にかけられてもっと特別な役割を担うようになった。初めてこの曲を聴いた時、誰が予想しただろうか?ただイントロを聴いただけで涙が溢れそうになってしまうなんて。コンサートを思い出す時、この曲が必ず頭に浮かぶようになるなんて。
34曲にも及ぶセットリストの1曲目に選ばれたこの曲は、私たちの日常とDimension-4(四次元)の狭間に置かれた。まさにf(x)が住む世界へ繋がる扉のような、はたまた手をとって連れて行ってくれた案内役のような。イントロを聴くだけで泣けてしまうなんてどれほど感動的な演出だったのだろうと思われるかもしれないが実はいたって簡単、ただゆっくりと客電が落ちるだけ。ファンが作り出すパールライトペリウィンクルの海が浮かびあがるとあちこちで感嘆の声がする。曲が終わるまで何も起きない。f(x)は何もしてこない。静かに揺れる紫の海に、私も夢心地で立っている。

セットリストに入れても良いのか迷ってしまうくらいシンプルで、コンサートだとは思えないくらい綺麗に澄んだ3分24秒。でもこの不思議な時間にきっと私たちは彼女たちへの積もりに積もった気持ちを思い出したり、好きになったあの頃に改めて思いを馳せてみたり、夢にまで見た空間に今いることを実感しようと言い聞かせたりしていたのだと思う。
それはコンサートの主人公であるf(x)も同じではないだろうか。デビューして7年、今まで自分たちの応援カラーで会場が埋め尽くされたことなんてなかったであろう彼女たちがこっそり客席の後ろからその景色を見てこう言った。「自信になった」

この曲はもしかしたら初めてのコンサートへのちょっとの不安とファンへの気持ちの代弁かもしれないし、そうじゃないかもしれない。でもきっと、いつも頭から爪の先まで完璧で、自分たちは孤独だと認める強さを持った彼女たちも胸に紙の心臓を持っている。少し見せて、すぐ隠す。曲が終われば、あっという間に大勢を魅了する自信に溢れたいつもの‘‘私’’に戻ってステージに立っているのだ。

Paper Heart

Paper Heart

  • f(x)
  • ポップ
  • ¥255